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【新人看護師におすすめ!】血液・腫瘍内科の特徴や仕事内容を現役看護師が紹介!

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新人看護師で配属先を決める時に、

新人ナース

どの科に行くのが一番いいのかな?

と悩む方は多いと思います。

それぞれの病棟に特徴があって、なかなか決めきれないですよね。

配属先を決める時のポイントとなるのは、

どんなナースになりたいかを決める事です。

一度考えてみた結果、「できるナース」になりたいと思ったら、

「血液・腫瘍内科」に行く事を強くお勧めします!!

今回は、血液・腫瘍内科に勤めて約5年、病棟リーダーを務める私が

  • 血液・腫瘍内科での看護師の役割や仕事内容
  • 血液・腫瘍内科の特徴(血内・腫内あるある)
  • 新人看護師におすすめな理由

について解説します!

たぐもち

配属先に悩んでいる方は、是非目を通してみてください。

看護師の役割と仕事内容

血液・腫瘍内科の特徴と、看護師の役割や仕事内容について、分かりやすく説明します。

血液・腫瘍内科とは

血液・腫瘍内科の主な疾患
  • 白血病
  • 悪性リンパ腫
  • 多発性骨髄腫
  • 特発性血小板減少性紫斑病
  • 固形がん(肺がん、消化器がん、乳がんなど)

血液・腫瘍内科に入院される患者さんの代表的疾患は上記の通りです。

これらの疾患に対して

化学療法・分子標的療法・ホルモン療法・免疫療法・放射線療法・造血幹細胞移植
などを行います。

たぐもち

いわゆる「抗がん剤治療」がメインです。

治療が難しい疾患が多いため、高度かつ専門的な知識が必要となります。
また、抗がん剤治療は日々進歩が著しく、新しい治療法が次々と出てきます。

治験の患者さんも多いため、最新情報には敏感である必要があります。

病棟の特色として、「クリーンルーム」が設置されている事がほとんどです。

クリーンルームとは

高性能フィルターを使用し細菌などを遮断することで、骨髄抑制などで感染しやすい患者を感染症から守る部屋

副作用の強い化学療法を行うと白血球の数値が「0」になることもあるので、感染対策にはかなり気を遣う必要があります。

看護師の役割や仕事内容

看護師の役割

看護師の役割は、全身管理・精神的ケア・意思決定支援が主となります。

①全身管理

血液・腫瘍内科では化学療法での治療をメインに行いますが、副作用は全身に現れます
代表的な物は「骨髄抑制」です。

骨髄抑制になるとどうなる?

骨髄抑制は化学療法の副作用として高頻度に起こります。

白血球・赤血球・血小板が低下することで「感染しやすい・貧血が起こる・出血しやすい」などの症状が出現します。

これらが原因で、全身状態がかなり不安定になります。
突然の重症敗血症や、脳内出血なども起こることがあり、急変リスクも非常に高いです。

疾患による症状に加えて、治療による副作用も強く表れるため、全身状態が悪化することが多いです。

このような状態で治療を継続していくためには、副作用の早期発見や、症状コントロールが非常に重要となります。

②精神的ケア

がん患者は、がん診断告知、抗がん剤投与、抗がん剤の辛い副作用、治療後の再発の不安、再発による落ち込みなど、多くの心理的負担を抱える事になります。

これらが原因で治療を断念してしまう事も稀ではありません。

治療完遂のためにも、看護師の精神的ケアは非常に重要なものとなります。

心理状態を都度把握することで、その時期に合わせた適切な対応をとることが大切です。

たぐもち

ちなみに、心理的負担を最も強く感じる時は、「初回の抗がん剤投与時」であると言われています。

③意思決定支援

患者や家族は医師からの説明を元に意思決定支援を行います。

看護師は、患者や家族が現状を受け入れることができ、その上で治療選択ができるように支援する必要があります。

そのための過程として、「情報の理解を促す」「患者の思いを受け止める」「価値観や人生観にあわせて意思決定できるようにする」などの支援が必要となります。

たぐもち

意思決定支援のためには、多職種での連携も非常に重要です。

看護師の仕事内容

バイタルサイン測定、環境整備、日常生活支援、医師の診療の補助など
基本的な所は同じです。

血液・腫瘍内科だからこその特徴としては

  • 抗がん剤治療の看護
  • 造血幹細胞移植の看護
  • 放射線治療の看護
  • 徹底した感染対策
  • 輸血の管理
  • 骨髄抑制による血球減少時の対応
  • 脳転移の患者の対応(転倒予防やコミュニケーションの工夫)
  • 処置の介助(マルク、CV挿入、ルンバール、胸水穿刺、腹水穿刺など)
  • 検査の準備(リンパ節生検/気管支鏡検査など)

これらです。

専門的な事も多いですが、抗がん剤治療や輸血など、他の病棟で活かせる事もあります。

たぐもち

また、全身状態が悪化しやすい方が多いので、「患者の急変」に遭遇する事も多いです

血液・腫瘍内科の特徴(血内・腫内あるある)

これまでの内容だけでは、実際に勤務している所を想像できないと思うので、
血液・腫瘍内科で働く看護師のあるあるについていくつか紹介していきます!

病棟の特徴あるある

①穏やかな病棟と思われがち

「がん患者の看護」と聞くと、患者の思いに寄り添いながら、穏やかに業務が進むイメージがあると思いますが、実際は全くの逆で…

血液・腫瘍内科はかなり忙しい病棟として分類されます

化学療法や輸血が一日に何件も入ります。
多い日では「化学療法18件、輸血10件」という日もありました。

化学療法や輸血は「付き添いながらの投与・状態観察、頻回なバイタルサイン測定」が常に付きまといます。

それらをこなしながら、患者さんから離れられるタイミングで、

数多くの点滴や、侵襲的処置、オペ出し、検査出し、症状緩和、精神的ケア、清潔確保のための保清や環境整備など、多くの業務をこなす必要があります。

たぐもち

うまく動き方を組み立てないと、業務が全く回りません。

また、コミュニケーションがうまくとれない脳転移の患者や、転倒が大事となる血小板減少の患者も多いため、必然的に離床センサーも多くなります。

新人ナース

そんなに忙しい病棟だったとは・・・

②看護師の清潔意識が半端ない

感染しやすい状態の患者が多いため、徹底した感染対策が必要になります。

そのため、看護師の清潔意識が半端ないほど高いです

少しの汚れも見逃しません。
汚れやごみを徹底的に排除していきます。

常に清潔に気を配っている方が多いため、ナースステーションや詰所も
いつもきれいです。

働いている身としては、毎日綺麗なので、気分がいいです。笑

業務のあるある

①採血に全力を注ぐ!(主に血内患者)

血小板が1万/μL未満の方も多く入院しているため、採血に失敗してしまうと血が止まらなくなってしまいます。

たぐもち

血小板が1万/μL未満というのは、頭蓋内の自然出血を起こすくらいの値です。

また、血液データをもとに治療方針を決定するため、頻回に採血を行います。
僕の病棟では2日に1回採血をしないといけません(約40名分です・・・)

それにより患者のストレスもたまります。

怒る患者

また、採血!?本当に必要!?

と何度も言われます。
かなりのプレッシャーです。

それに加えて、
繰り返し行われる化学療法が原因で、血管が細く・脆くなっている患者さんが多いです。

そのため、高度な採血技術が求められます。

たぐもち

これらの理由から、全力を注いで採血に挑む必要があります。

②点滴台があふれかえる

感染しやすい状態の患者が多いため、他の病棟と比べて抗生剤や抗ウイルス薬などを投与する機会が圧倒的に多いです。

それに加えて、抗がん剤や麻薬、輸血なども投与する必要があり、
結果として、絶望を覚えるほどの点滴の数になります。

点滴台にすべての点滴が乗ることは、過去1度もありませんでした。
夜勤帯であっても、同じです。

業務に慣れるまでは、

たぐもち

この点滴全部つなぎ切れるかな・・・

という不安と毎日戦う事になります。

患者のあるある

①患者さんとは顔見知り

抗がん剤治療は、月単位、年単位と長くなることが多いため、

患者さんとの関わりも深くなっていきます

何度も同じ患者さんが入退院を繰り返すので、

退院する時は「また来るね~!」と言って退院し、
入院する時には「ただいま~!またよろしく~!」という、親密な間柄になってきます。

たぐもち

「たぐもちさん髪きってるなぁ!」と言われる事もよくありますよ。

一人一人の患者さんとの関わりが深くなることで、意思決定支援などにも力が入ります。

看護師のケアの力が最も求められている病棟と言っても過言でないと思います。

新人ナース

すごくやりがいがありそうですね!!

新人看護師に血液・腫瘍内科がおすすめな理由

新人看護師に血液・腫瘍内科がおすすめな理由は3つあります!

血液・腫瘍内科がおすすめな理由
  1. 内科業務だけでなく、外科業務や急変対応など幅広く経験できる
  2. 業務の上手い立ち回り方が確実に身に付く
  3. 感染対策のプロになれる

内科業務だけでなく、外科業務や急変対応など幅広く経験できる

血液・腫瘍内科に勤めれば、抗がん剤治療や緩和ケアや意思決定支援など、内科的な業務に携わることが多いですが、

オペ出し(がん患者の治療の1つとして手術があります)、侵襲的処置(CV挿入、胸腔穿刺)なども経験できます。

造血幹細胞移植を行うと、患者が急変する機会も多く、急変対応が必要になることが多いです。

新人ナース

すごい!いろんなことが経験できますね!

また、がんは全身のどの部位にも広がる可能性があり、がんが浸潤した部位によって症状や必要なアセスメントが変わってきます。

心臓にがんが浸潤すれば、循環器の知識も求められますし、腎臓に浸潤すれば、泌尿器の知識も必要となります。

このように、血液・腫瘍内科は
内科業務だけに留まらず、外科業務や急変対応なども経験でき、全身のアセスメントも求められる病棟なんです!

たぐもち

専門に特化しつつも、なんでもできるというイメージですね!

1年目から血液・腫瘍内科に配属となれば、「どこでも通用するナース」になれるのは間違いないですよ!

業務の上手い立ち回り方が確実に身に付く

上記にも上げましたが、化学療法や輸血に加えて、たくさんの処置や点滴に日々追われることになります。

その上、患者さんの意思決定支援や精神的ケアも行う必要があります。

たぐもち

患者さんは治療に関して様々な悩みを抱えているため、つらい気持ちを傾聴するなどの精神的ケアが必要です

特に日勤では、スケジュールが分単位で詰まっており、
「今日どう動くか」を入念に計画しないと、業務を回すことができません。

たぐもち

化学療法によるアナフィラキシーショックや輸血による副反応など、イレギュラーな事も多いです。

そのため血液・腫瘍内科に勤めれば、多忙な毎日は確定してしまいますが、
業務の立ち回りは「かなり上手くなる」ことが約束されています

感染対策のプロになれる

血液・腫瘍内科に入院する患者さんは、「感染が命取り」になることが多いです。
白血球(好中球)が減少している時には、食べ物にさえ気を遣います。

日々多忙でありながらも、一つ一つの行動を清潔に行う必要があります。

特にクリーンルームに入室している患者さんには、細心の注意を払わなければいけません。

常に感染対策を意識して動くことが当たり前になります。

新人ナース

まさに感染対策のプロという感じですね!

感染対策は、看護師にとってかなり重要なスキルです。
どの病棟に行っても、基本中の基本となるからです。

そんな「感染対策」を徹底的に学ぶことができるので、今後どの部署に配属になっても
「あの子きっちりしてるね~」と信頼を得ることは間違いないでしょう。

「できるナース」になれる!

以上の事をまとめると、血液・腫瘍内科に配属となれば、

どこでも通用する「できるナース」になれる!

ことが理解できたかと思います。

アセスメントも、幅広い業務もできて、

立ち回りもうまく、感染対策もばっちり!

こんな素敵なナースを目指してみませんか?

新人ナース

かっこいいナース!って感じです!
私もなりたい~!!

たぐもち

1年目から血液・腫瘍内科で働くことは本当におすすめですよ!

まとめ:配属先に悩むなら血液・腫瘍内科がおすすめ

ここまで、血液・腫瘍内科の病棟の特徴、看護師の役割と仕事内容、血内・腫内あるある、新人看護師に血液・腫瘍内科がおすすめな理由について解説してきました。

もう1度振り返ると、

血液・腫瘍内科とは

血液がんや固形がんに対して、抗がん剤治療を行う病棟

看護師の役割
  • 全身管理
  • 精神的ケア
  • 意思決定支援
看護師の仕事内容
  • 抗がん剤治療の看護
  • 造血幹細胞移植の看護
  • 放射線治療の看護
  • 徹底した感染対策
  • 輸血の管理
  • 骨髄抑制による血球減少時の対応
  • 脳転移の患者の対応(転倒予防やコミュニケーションの工夫)
  • 処置の介助(マルク、CV挿入、ルンバール、胸水穿刺、腹水穿刺など)
  • 検査の準備(リンパ節生検/気管支鏡検査など)
血液・腫瘍内科の特徴(あるある)
  1. 穏やかな病棟と思われがち
  2. 看護師の清潔意識が半端なく高い
  3. 採血に全力を注ぐ!
  4. 点滴台があふれかえる
  5. 患者さんとは顔見知り
血液・腫瘍内科がおすすめな理由
  1. 内科業務だけでなく、外科業務や急変対応など幅広く経験できる
  2. 業務の上手い立ち回り方が確実に身に付く
  3. 感染対策のプロになれる

そして、血液・腫瘍内科に配属すると、

どこでも通用する「できるナース」になれる!

という事でした!!

配属先に悩んでいる方や、できるナースになりたい方は
ぜひ血液・腫瘍内科に配属することを考えてみてくださいね。

たぐもち

他に聞いてみたいことがあれば、気軽に質問してください!
お問合せページやTwitterを通してお答えさせて頂きます!

この記事が新人看護師の皆様のお力になれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

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