同時にいろんな事が起こると、頭が真っ白になってしまいます
何から手をつけたら良いのかわかりません
看護師1年目にとって「多重課題」は最大の敵。
「なんとかしないといけない」と分かっているのに、どうしても仕事がまわらない!!
と、悔しい思いをしている1年目の方は多いと思います。
なので今回は、
- 多重課題を乗り切る方法を知りたい
- 業務が回らず、悔しい思いをしたくない
- 自分なりに努力しているのに、うまくいかない
と考えている方向けに
多重課題を乗り切るための3つのポイントについて解説します!
この記事を読めば、
などが分かります。
多重課題の乗り越え方を知り、スマートに業務をこなしましょう!!
頑張っているのに業務が回らず、今この瞬間も苦しむ1年目さんへ。
もしあなたが「看護師なんて向いてない…」と落ち込んでいるなら、下記の記事を読んでみてください。
1年目さんでも気楽に働ける「命に関わらない職場」を16個紹介しています。
看護師を嫌いになってしまう前に…
病棟以外でゆるゆると働くことも考慮してみてください。
多重課題とは、同時遂行を求められる2つ以上の事柄
多重課題とは、看護師が日常の仕事を通じて同時遂行を求められる2つ以上の事柄を指します。
よくある例
- 点滴の更新に向かおうとしたら、他の患者に呼び止められた
- 採血をしている最中に、ナースコールや点滴アラームが鳴りだした
2つ以上の業務が重なることで、解決策を導くことがグンと難しくなります。
知識や経験が浅い看護師1年目は、瞬時に解決策を判断する事が苦手なため、多重課題に悩まされる事が多いです。
多重課題には「予測できるもの・できないもの」がある
多重課題には「予測できるもの」と「予測できないもの」の2種類が存在します。
予測できる多重課題
予測できる多重課題とは、複数の業務が同時に予定されている状態を指します。
例)10時に「点滴投与・検査・退院出し」がある
この場合は、情報収集の時点で、多重課題の発生を予測できます。
予測できない多重課題
予測できない多重課題とは、業務の途中で予定外のイベントが割り込こんできた状態です。
例)「静脈確保している時に、隣の患者から「胸が痛い!看護師さんきてー!」と言われた
予測できない分、対策・対応が難しいです。
看護師1年目が「多重課題」が苦手な理由
多重課題をうまく乗り切れずに悩んでいる1年目さんは多いです。
でもそれは当たり前。
1年目だからこそ「業務を中断せざるを得ない」場面が多いからです。
よくある例
- 手技や観察項目を思い起こす事に集中してしまう
- 分からない事を聞けずに1人で悩み、動けない
- 初めての業務は、先輩に見てもらう必要がある
(早く相談したいのに、全然先輩がつかまらない!) - 「ナースコールは1年目がとりなさい」という空気感
これらが原因で業務を上手く進める事ができず、
成功体験が少ないことから、多重課題に苦手意識を持つ人は多いです。
しかし実際は、看護師1年目であっても多重課題を乗り切る事は可能です。
これから紹介する「3つのポイント」を意識することで
今よりも上手く多重課題を乗り切る事ができると思います!!
多重課題に苦手意識がある方は、是非1度目を通してみてください!
多重課題を乗り切るための3つのポイント
多重課題を乗り切るためには次に紹介する3つのポイントを意識することが本当に重要です。
- 自分の準備を整える
- 多重課題を作らない
- 多重課題の対処法を理解する
それぞれのポイントについて、具体的な解決策とともに解説します。
ポイント①自分の準備を整える
多重課題を乗り切るためには、「自分の準備を整える」ことが重要です!
準備を整えて不安要素を減らすことができれば、安心して多重課題に立ち向かうことができます。
そのための方法は3つあります。
- 体調を整える
- 明日受け持つ患者・処置・検査をチェックしておく
- 病棟内で良好な関係を作っておく
それぞれ具体的に説明します。
解決策1:体調を整える
まずは、体調管理です。一番の基本ですね。
しっかり休み、気持ちを整え、体調を崩さないように気をつけましょう!
疲れていると本来の力が発揮できず、作業効率も低下します。
集中力が途切れてしまい、インシデントを起こす事もあるでしょう。
勤務外はとにかくリフレッシュ!!
楽しい時間や落ち着いた時間を過ごして心身ともに体調を整えておきましょう。
体調が悪い時は、無理せずに休みましょう!
解決策2:明日受け持つ患者・処置・検査をチェックしておく
初めての事に遭遇すると本当に焦りますよね。
落ち着きがなくなり、いつもできていた事もできなくなってしまいます。
この状態を避けるためにも、
あらかじめ患者・処置・検査の情報をチェックし、事前学習しておきましょう。
「分からない」・「できない」を減らしておくと、スムーズに業務を進める事ができます。
でも事前学習するのもしんどいよ~
事前学習がしんどい方は、できるだけ簡単な方法から始めましょう。
具体的には、「寝る前にスマホで少し勉強しておく」くらいで大丈夫です
少しだけでも知識を入れておけば、充分に効果があると思います!
理想は「不明な点をなくしておく」ことですが、無理のない範囲でトライしてみてください!
解決策3:病棟内で良好な関係を作っておく
良好な関係を作るのって難しい!!だけど、メリットは大きいです!
最大のメリットは
ことです!
先輩と仲良くしておけば、必然的に助けてくれる頻度があがります
また、先輩と上手くコミュニケーションを取り、
今の実力を知ってもらう事ができれば、
自分の成長具合にあわせて業務分担や役割調整をしてくれる
というメリットもあります。
実力以上の業務を割り振られなければ、問題なく業務を回すことができると思います。
正直な所、病棟内で良好な関係を作っておくだけで、多重課題を乗り切れるといっても過言ではありません。
サポートが手厚くなることで、安心して多重課題に立ち向かうことができると思います。
ポイント②多重課題をつくらない
多重課題が苦手なら、多重課題を作らなければいい!と僕は思います。
多重課題を作らないための方法は2つあります!
- 業務が被らないように行動計画を立てる
- 時間のロスをなくし、仕事を回す
それぞれ詳細を解説します。
解決策1:業務が被らないように行動計画を立てる
行動計画を立てる時点で、「予測できる業務」が被らないように調整しておきましょう!
そもそも多重課題を作らないことが大切です
調整する時に、必要な手順は以下の4つです。
- 業務の明確化
- 時間的制約の確認
- 時間配分の見積もり
- 実施順序決定
実際の例を挙げると、
- 自分の受け持ちに予定されているケア・処置などを確認する
(業務の明確化) - その中で、時間が確定している業務(検査・手術など)の有無を確認する
(時間的制約の確認) - 各業務にどの程度時間がかかるかを考える
(時間配分の見積もり) - 時間が確定している業務を軸にして、各業務が同じ時間帯に被らないように調整する
(実施順序決定)
こんな感じです。
また、行動計画立案時には、
ことが重要です。
緊急入院・処置の追加・頻回なナースコールなどの、「予想外のイベント」が発生しても、それに対応する時間が充分に確保できるような「余裕のある行動計画」を立案しましょう!
ワークシートに書き出してみると整理しやすいですね!
解決策2:時間のロスをなくし、仕事を回す
時間のロスが多いと、仕事が回らず業務がたまり、結果として「多重課題」ができてしまいます。
そのため、すべての業務を「効率良く」終わらせていく必要があります。
それすごく難しいですよね
私にできるかな・・・
もちろん初めは難しいと思います。
しかし、以下の4つのポイントを意識することで、効率良く動く事ができると思います。
- 処置の質をあげる
例)清拭に10分かかる人は5分にできないか検討してみる - 事前準備は徹底的にする
例)必要な物品をカートに積んでおく
観察項目をリストアップしておく - 速く動く
例)速度をあげて歩く事で時間が稼げる - 次に起こる事を予想して動く
例)501号室の患者からナースコールあり。そのまま部屋に向かわずに「同室の患者の点滴が終わりそうだった」と考え、点滴もカートに積んでから、501号室に向かう
できそうな所から1つずつ意識してみましょう!
ポイント③多重課題の対処法を理解する
先ほどは、「多重課題が苦手なら、つくらなければいい!」と言いましたが、
いくら対策をとっても予測できない多重課題は必ず発生します。
そのため、「予測できない多重課題の対処方」を理解しておく事は本当に重要です。
具体的には、この2つです
- 多重課題の発生に応じて行動計画を適宜変更する
- 周りのスタッフを巻き込む
それぞれ詳細を解説します。
解決策1:多重課題の発生に応じて行動計画を適宜変更する
予測できない多重課題が発生した場合は、その都度予定を変更して対応するしかありません。
発生した業務にどのくらいの時間が必要かを見積り、空いている時間帯に当てはめたり、業務の順番を組み替えましょう。
でも、業務が急にたくさん増える事もありますよね?
そうなると、何をどう優先すれば良いか分からず、頭が真っ白になってしまいます・・・
残念ながら、優先順位をあらかじめ決めておくことはできません・・・
優先順位は決まっているものではなく、状況によって変わります。
ただ、経験を積んでいれば「なんとなく優先順位が分かる」ようになってきます。
そうなるためにも、先輩がどういった考えで優先順位を決めているかを毎回聞いてみる事が大切かもしれません。
状況にあわせた判断は「経験がものを言う」事が多いです
判断がつかない場合は、必ず先輩やリーダー看護師に相談しましょう!
ちなみに、僕が優先順位を決める時に一番大切にしているポイントは、
ということです!理由としては、
業務をこなす事に集中していたら患者の状態が悪化していた!!!
なんて事は絶対に避けたいからです。
具体的な項目は、これらです。
重症度や緊急度の高い業務
- 生命の危機
例)意識レベルの低下、呼吸停止 - 事故の発生
例)転倒・転落、カテーテルの自己抜去 - 治療の中断
例)静脈ラインの閉塞、呼吸器アラーム - 患者の苦痛や訴え
例)表情や様子の変化、疼痛苦痛の訴え
特に①生命の危機②事故の発生は緊急度がかなり高いので、一番先に対応しましょう!
事故の内容や点滴の種類によっては、優先度が変わります!
一人で判断できない場合は、他のスタッフに助けを求めましょう!
1年目の内は特に、「自分1人で考えない」ことが重要ですね!
解決策2:周りのスタッフを巻き込む
多重課題に直面したら、周りのスタッフを巻き込みましょう!
看護師1年目は、自立したいという気持ちから「1人で業務を回そうとする」事が多いですが、あまりよくありません。
自分だけで無理に業務を回そうとすると、安全確保が不十分となる場合が多いからです。
「自分で全部できる」よりも、
ようになりましょう!
必要な助けを求めることができれば、安全かつスピーディーに業務が進みます
ちなみに、他のスタッフに助けを求める時のポイントはこれらです。
- 誰に助けを求めるか事前に決めておく
- 助けを求める時には、
「なぜ助けが必要か」
「どこまで自分でできるのか」
「何をしてほしいのか」
を具体的に伝える
これらを意識するだけで、スムーズかつ効率よく助けを求めることができると思います。
まとめ:多重課題は「慣れる」ことで徐々に乗り切れる
ここまで、看護師1年目が多重課題を乗り切るための方法について解説してきました。
もう一度振り返ります。
多重課題とは、
- 看護師が日常の仕事を通じて同時遂行を求められる2つ以上の事柄
- 「予測できるもの」と「予測できないもの」の2種類がある
- 1年目特有の「業務を中断せざるを得ない」場面が多重課題を難しくする
- 自分の準備を整える
- 多重課題を作らない
- 多重課題の対処法を理解する
ここまで解説してきた内容を理解し、1つからでも実践すれば、
看護師1年目でも問題なく多重課題は乗り切れます。
しかし、すぐにできるわけではありません。
ことを頭にいれておきましょう!
というのも、多重課題は多くの要素から成り立っており、1つのスキルを身に着けたからといってすぐに解決はしません。
看護師1年目の方で、
多重課題が全然乗り切れずに落ち込みます
私が仕事ができないから悪いのかな
と感じている方は、あまり落ち込まずに
「すぐに身に付くものではない」
という事を念頭に入れて、できることから始めましょう。
努力をしていれば、時間とともに自然と乗り切れるようになると思います。
焦らなくても大丈夫です!
自分のペースで身に着けていきましょう!
この記事が、多重課題を乗り切れずに悩んでいる看護師1年目の皆様の助けになれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
頑張っているのに業務が回らず、今この瞬間も苦しむ1年目さんへ。
病棟は特に忙しく、多重課題がもっとも多い職場だと言えます。
もしあなたが「私は仕事ができない看護師だ…」と感じているなら、それは間違い。
ただ単に、職場がキツすぎるのだと思います。
上記の記事では、1年目さんでも働ける「命に関わらない楽な職場」を16個紹介しています。
自信をなくして看護師を嫌いになる前に、ぜひ一度記事を読んでみてください。