- 私だけ独り立ちできなくて不安
- 独り立ちできる実力をつけたい
- できるだけ早く独り立ちしたい
今回は、こんな悩みにお答えします。
独り立ちできずに悩む一方で、
「時間が経てば、いつか独り立ちできるだろう」と考え、
何の対策も取らずに働き続ける1年目さんは多いです。
しかし、その考えは危険。
うまく成長できずに、なかなか独り立ちできない可能性が高いです。
そこで今回は、新人教育を5年以上も担当している僕が、
- 新人看護師が独り立ちできない原因4選と解決策。
について解説します。
この記事を読めば、
新人看護師が独り立ちするために必要なポイントが理解でき、最短で独り立ちすることができます。
数多くの新人看護師をサポートする中で培ってきた「1年目さんが独り立ちするためのノウハウやコツ」を凝縮しました。
うまく独り立ちできずに悩む1年目さんは、最後まで読んでくださいね。
なかなか独り立ちできず、今この瞬間も落ち込む1年目さんへ。
もしあなたが「もうこれ以上がんばれない…」と苦しんでいるなら、下記の記事を読んでみてください。
1年目さんでも気楽に働ける「命に関わらない職場」を16個紹介しています。
看護師の道を諦めてしまわないためにも…
ルーティンワークで、ゆるく働くことも考えてみてください。
はじめに:新人看護師の独り立ちの基準とは?
本記事が定義する「独り立ち」とは、
フォローが外れ、何かあればリーダーに相談する形で働くこと。
多くの施設では、6〜9月ごろまでには、
この基準を満たして、「独り立ち」とする場合が多いです。
今回は、この基準をもとにして、お話しさせてもらいますね。
新人看護師が独り立ちできない真の理由は?
新人看護師が独り立ちできない真の理由は、
「まだ、仕事を任せられない」
と思われているから。
先輩たちは、
まだアセスメントを補う必要があるな。
見ていてあげないと重大なミスを起こしてしまうかも…!
業務が終わらないだろうから放っておけない。
のように、常に新人を評価しています。
その結果として、
「まだ仕事を任せられないな」と思う新人に対しては、独り立ちの許可を出しません。
(意地悪ではなく、新人を守るためです。)
取り返しのつかない事態を招いてしまった時に、1年目さんに責任を負わせる訳にはいかないですからね。
そのため、独り立ちするためには、
実力をつけて、先輩からの信頼を得ることが必要になります。
先輩から
- この子は安全に業務を進められる。
- 仕事を任せても大丈夫だな。
と思ってもらえればOKですよ!
新人看護師が独り立ちできない原因4選と解決方法
新人看護師が独り立ちできない原因は以下の4つです。
この特徴に当てはまる人は要注意。
先輩から「まだ独り立ちは許可できない」と思われやすいです。
(1つでも欠けると、安全に業務を進められない項目ばかりなので!)
逆に言えば…
この4つの問題さえ解決できれば、
「仕事を任せても大丈夫」と思われるから、独り立ちすることができますよ。
4つの問題の詳細と解決方法について解説しますね!
めざせ独り立ち!
①報告・連絡・相談ができない
先輩ナースの立場からすると、
報告・連絡・相談がない新人さんほど怖いものはありません。
なぜなら、患者の状態をタイムリーに把握できないから。
患者の状態がわからないから、適切な助言ができない…!
それが原因で、患者の命を危険にさらす可能性もあるため、
独り立ちを許可することができません。
報告・連絡・相談って思った以上に大切なんですね。
どうすれば、できるようになりますか?
うまく報告・連絡・相談するためのポイントは以下の2つ。
- 報告するタイミングを決めておく。
- トラブルが起きたら「早急に」報告・連絡・相談する。
簡単に解説します。
報告するタイミングを決めておく。
報告抜けをなくすためにも、報告するタイミングを決めておくのがおすすめです。
タイミングは、時間で決めてOK。
例えば「11時・14時・16時」に報告すると決めておくことで、
- 報告が後回しにならない。
- 報告のための時間を意識して作れる。
というメリットがあります。
業務に追われてうまく報告できなかった…
ということが無くなりますよ。
トラブルが起きたら「早急に」報告・連絡・相談する。
トラブルが起きた時に、「自分で何とかしよう」とする1年目さんは多いですが、本当に危険です。
なぜなら、対処方法を間違えると、余計に状況が悪化する場合があるから。
トラブルが起きたら、即座に対応することも大切ですが、
知識の浅い1年目のうちは、「早急に」報告・連絡・相談することをおすすめします。
先輩の立場からすると、自分で対処するより、すぐに報告してくれる方が助かりますよ。
うまく報告・連絡・相談ができれば、安心して業務を任せてもらえます。
ぜひ、実践してみてください。
②業務の抜けが多い
業務の抜けが多いと、
「大事な処置や点滴を見逃すかもしれない」と思われて、
独り立ちすることができません。
必要な処置が抜けると困る…!!
まだフォローしておかないとダメだな。
こう思われないためには、
業務の抜けをできるだけ減らすことが本当に重要です。
業務の抜けを最小限にするためのポイントは以下の通り。
- タイマーをかける。
- 付箋にメモして、目に見える場所に貼る。
簡単に解説します。
タイマーをかける
看護師は毎日激務です。
1分1秒も無駄にできませんよね。
業務に追われて焦っている時って本当に抜けが起きやすいです。
「このくらい、頭で覚えておけるだろう」
と思っていても、つい忘れてしまうもの…
それを防ぐためにも、
予定が入ったら、すぐにタイマーをセットしましょう。
3秒もあればセットできるので、簡単に実践できますよ。
タイマーは本当に便利。
「あ…。14時の点滴忘れてた!!!」
という「抜け」が本当になくなりますよ。
付箋にメモして、目に見える場所に貼る
新たに業務が増えたときに、メモをすることは大切ですが、
ただメモするだけだと、結局忘れてしまうことも多いです。
多忙な中で急いでメモをとると、
どこにメモしたか分からなくなったり、書いた字が目に入らなかったりしますよね。
それを防ぐためにも、メモは「付箋」にとるのがおすすめ。
書いてそのまま、目につく場所に貼っておけば、
業務の抜けが激減しますよ。
僕の場合は、パソコンやワークシートに付箋を貼っていますよ。
簡単な工夫で業務の抜けを減らして、先輩からの信頼を集めましょう。
③アセスメント力が低い
アセスメント力が低いと、
「患者の異変に気付けないから、任せられない」
と思われて、独り立ちできません。
患者の異変に気付けないと、報告すらできませんからね…
アセスメント力を上げるためのポイントは以下の通り。
- とにかく勉強する。
- 先輩のアセスメントを参考にする。
簡単に解説します。
とにかく勉強する。
アセスメント力を高めるためには「勉強」が必須です。
なぜなら、良質なアセスメントをするためには、
「正常な値や経過」を知っておく必要があるから。
「正常」を知らないと、「異常」を見つけることはできません。
そのため、
血液検査の正常値や、治療ごとの正常な経過
を中心に、しっかり勉強しておきましょう。
先輩ナースのアセスメントを参考にする。
先輩ナースのアセスメントは新人に比べて質が高いです。
そのため、患者の症状についてどのようにアセスメントし、どう対応したのかを聞いてみるのがおすすめ。
「こう考えればいい」というコツを知るヒントになりますよ。
自分のアセスメントを先輩ナースに見てもらうのもおすすめです!
違う角度から、良い意見をもらえることも多いですよ。
アセスメント力を身につけるのは、本当に難しいですが…
自分のできる範囲でいいので、力をつけておきましょう。
④業務をうまく回せない
業務をうまく回せないことも、独り立ちできない大きな原因となります。
なぜなら、
「今の業務量で精一杯なのに、さらに負荷をかけるわけにはいかない」
と、思われるから。
過剰に負荷をかけることで、ミスが増えたり、仕事が辛くなるのを先輩たちは分かっています。
そのため、独り立ちするためには、
今与えられている業務量なら、難なく回せるだろう。
と、思ってもらう必要があります。
業務をうまく回すためのポイントは以下の通り。
- 多重課題を作らない。
- 明日受け持つ患者のイベントをチェックしておく。
それぞれについて解説します。
多重課題を作らない
行動計画を立てる時点で、
「予測できる業務」が被らないように調整しておくと、
うまく業務を回すことができますよ。
10時の予定に
受け持ち患者A:オペ出し
受け持ち患者B:点滴更新
受け持ち患者C:清拭
があるなら、
患者Aの「オペ出し」を
10時に実施するために、
患者Bの「点滴更新」を9:45にずらし、
患者Cの「清拭」を
オペ出しをした後に実施する。
実際の現場だと、予測できない業務(トイレコール、点滴漏れなど)もあるので要注意。
余裕のある計画を立てることを心がけましょう。
それでも業務が回らないなら、他のスタッフに助けを求めるのがおすすめです。
自分1人で無理に解決しようとするのはNG!
事故を引き起こす原因になりますよ。
明日受け持つ患者のイベントをチェックしておく
業務をうまく回せない大きな原因として
「初めての処置・検査に遭遇して戸惑う」
ことが、ありますよね。
対処しきれず困るだけでなくパニックになり、
いつもなら出来ることも、できなくなってしまいます。
この状態を避けるためにも、
明日受け持つ患者のイベント(処置・検査など)をチェックし、事前学習しておきましょう。
そうすれば、うまく業務を回すことができますよ。
「分からない」・「できない」を減らしておけば、スムーズに業務を進める事ができます。
難しいとは思いますが…
多重課題をうまく攻略して、テキパキと仕事をこなしていきましょう。
うまく業務を回すための方法は、下記の記事で詳しく解説していますよ!
独り立ちできる可能性を高めるために意識すべきこと
どうしても独り立ちしたいんです。
独り立ちするために、他にもできることはありませんか?
そう考えるあなたは、
以下の3点を意識することをおすすめします。
これらを意識するだけで、
- 自分のペースで確実に成長できる。
- 周りから「独り立ち」を認められやすい。
というメリットがありますよ。
それぞれについて解説します!
①同期と比べない
独り立ちするためには、
「同期と比べない」ことが意外と大切。
なぜなら同期と比べて落ち込んでしまうと、
気持ちが乱され、自分のペースでうまく成長できないから。
うまく成長できずにいると、
独り立ちがどんどん遠のいてしまします。
他人と自分の実力を比べても、全く意味はありません。
比べるなら過去の自分。
「昨日の自分より、今日の自分が成長できること」
を意識しながら、確実に前に進みましょう。
同期との比較をどうしても辞められない人は、下記の記事を参考にしてくださいね。
②先輩と良好な関係を築いておく
うまく独り立ちするためには、
先輩と良好な関係を築いておくことも重要です。
なぜなら、
先輩と仲良くできれば、いろいろと有利に事を運ぶことができるから。
- 質問しやすい。
- 困った時に助けてくれる。
- 勉強を教えてくれる。
人付き合いが苦手な人にとっては、理不尽だと思うかもしれないけど…
先輩に可愛がられた時点で勝ち。
ということも多いです。
不公平だけど、看護師1年目は
— たぐもち@現役看護師ブロガー (@tagumochiblog) April 6, 2022
「可愛がられた時点で勝ち」
だと思います。
成長のチャンスをくれる
ミスをおおめに見てくれる
困っていたら先輩の方から助けてくれる
先輩に媚びを売るみたいで嫌だけど
可愛がれるための行動は必要です😭
自分を守るためには手段を選ばないことも時には必要、、、
逆に、一度「ダメなレッテル」を貼られると、
独り立ちが難しくなるので、本当に注意していきましょう。
先輩との関わり方に悩む1年目さんは、下記の記事も参考にしてくださいね。
③前向きな姿を見せる
独り立ちするためには、
先輩に「前向きな姿を見せる」ことも大切です。
なぜなら、
ひたむきに努力している1年目さん見ると、
期待したくなるし、
応援したくなるし、
信頼したくなるから。
実力以外の部分でも、独り立ちが認められることもあるので、
試してみる価値はありますよ!
どうしても独り立ちできない人は「転職」も考慮すべき
どれだけ頑張っても独り立ちできません。
もう、どうすればいいか分からない!!
こんな気持ちを抱える1年目さんも多いはず…
現実問題として、
自分のできることを全てやっても、独り立ちできない場合もあります。
そんな時に考えて欲しいのは、
「本当に今の職場が自分に合っているのか」
ということです。
なぜなら、環境のせいで独り立ちできていない可能性があるから。
- 悪いレッテルを貼られてしまい、実力が正当に認められていない。
- 職場環境がキツすぎて、身の丈に合っていない。
こういったケースでは、いくら頑張っても独り立ちできないことが多いです。
いつまで経っても独り立ちできないのは辛いです。
どうすれば良いですか…?
環境が独り立ちを妨げていると感じたなら、
一度、転職を考えてみる
ことをおすすめします。
- 一気に悪いレッテルを剥がせる。
⇨実力を正当に見てくれる。 - 実力にあった環境で働ける。
⇨キャパオーバーせず、自分の力を発揮できる。
独り立ちできずに悩んでいた僕の同期も、
転職することで、すぐに独り立ちできました。
ずっと「できない子」と言われて、夜勤に入らせてもらえなかったけど、転職したら1ヶ月後には夜勤に入ることができました。
3年間フォローが外れず、ずっと「フリー業務」をしていましたが、転職したらすぐに独り立ちできました。
このように、環境が変わるだけでも、一気に評価が上がることはあります。
(もちろん努力は必要ですが…!)
そのため、
全力で努力しているにも関わらず、うまく独り立ちできない人は、ぜひ転職を考慮してみてくださいね。
転職を考慮してみます。
だけど正直、転職するのも怖いです…
仮に、1年目での転職が怖い場合は、とりあえず情報収集だけでもしておくのがおすすめです。
いろんな職場を眺めるだけでも、意外と気晴らしになるからです!
「今よりもいい職場はあるかな?」という視点で、一度求人を眺めてみてください。
なお、情報収集だけをする場合は、「看護roo!転職」の利用がおすすめです。
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【Q&A】新人看護師の独り立ちに関するよくある質問
ここでは、新人看護師の独り立ちに関するよくある質問にお答えします。
それぞれについて解説します。
新人看護師の独り立ちに公的な基準はある?
新人看護師の独り立ちに公的な基準はありません。
それぞれの病院によって、独自の基準が設けられています。
ただし、1年間の新人研修を通して到達してほしい目標は、厚労省によって定められています。(参考:厚生労働省「新人看護職員研修ガイドライン」)
例えば、看護技術の場合、以下のような到達目標が挙げられています。(一部抜粋)
1.独力で安全に実践できる | 2.指導の下で安全に実践できる | |
---|---|---|
環境調整技術 | 療養生活環境調整 ベットメーキング リネン交換 | |
食事援助技術 | 食事介助 食生活支援 栄養状態・体液・電解質バランスの査定 | 経管栄養法 |
排泄援助技術 | 自然排尿・排便援助 尿器・便器の使用 オムツ交換 浣腸 | 留置カテーテルの挿入と管理 摘便 導尿 |
自分がちゃんと成長できているのか不安なら、上記のような公的な基準を参考にしてみるのがおすすめです。
新人看護師の間に自立できないとどうなる?
新人看護師の間に自立できなくても、特に問題はありません。
今までどおり、先輩に見守ってもらいながら、少しずつ成長していくことになります。
ただし、現実問題として、自立した同期と比べて落ち込んでしまう可能性はあります。
それがショックで退職した1年目さんも一定数いました…
とはいえ、成長ペースは人それぞれなので、焦らずゆっくり頑張っていけば大丈夫です。
1年目を過ぎてから急成長する子も本当に多いので!!
自立できずフリー業務ばかりの場合どうすればいい?
フリー業務ばかり任されていると、モチベーションが下がりますよね…。
受け持ちしないと成長しにくいし、活躍している同期を見るたび胸が痛むと思います。
フリー業務を脱するためには、以下の2点を押さえるのがおすすめです。
- 任された業務は完璧にこなす
- 知識・技術をしっかりと身につけ、「受け持ちしたい」と直接伝える
任された仕事を完璧にこなした上で、「受け持ちしたい」と自ら伝えていけば、おのずとチャンスは巡ってきます。
受け持ちたい患者を1人決めて、実際にどう動くかまで伝えられれば完璧です!
成長しない新人看護師の特徴はある?
成長しない新人看護師の特徴は、以下のとおりです。
- 先輩の助言を素直に受け入れない
- ミスを反省しない
- 勉強しない
要するに、「スキル不足を改善しない人」が、成長しにくいと言えるでしょう。
新人看護師がスキル不足なのは当たり前です。(誰だって初めはうまく行きません…!)
ですので、その状態からしっかり上を向いて頑張れるかどうかが、大きな分かれ目になるでしょう。
マイナスな態度が出てしまうと、先輩からの目も厳しくなるので注意してください。
まとめ:独り立ちして看護師としての自信をつけよう
ここまで、うまく独り立ちできずに苦しむあなたが「最短で独り立ち」するための方法について解説してきました。
独り立ちできれば、自信がつきます。
自信がつけば、日々の看護も少し楽しくなりますよ。
そのための第一歩として、
まずは本記事で紹介した方法を実践してみてくださいね。
看護師としての自分をもっと好きになれると思います。
この記事が「独り立ちできない」と悩む1年目さんの助けになれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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なかなか独り立ちできず、今この瞬間も落ち込む1年目さんへ。
もしあなたが「もうこれ以上がんばれない…」と苦しんでいるなら、下記の記事を読んでみてください。
1年目さんでも気楽に働ける「命に関わらない職場」を16個紹介しています。
看護師の道を諦めてしまわないためにも…
ルーティンワークで、ゆるく働くことも考えてみてください。